ちょっとしたきっかけがあって、サステナジーおよびさとまるの活動をなぜやっているのかということを
文章にする機会があったので、ここに置いておきます。
そもそもの根底にあるのは、日本という国が人口減少という構造的問題を抱えているところから始まります。
これは、かなりの確率で確定した未来の問題です。
今この瞬間に手を打ったとしても解決するのは20年後~50年後というスパンの話なので。
人口減少によって引き起こされる主な問題として、国としての国際競争力が著しく衰えるというものがあります。
(中国も同じ問題を抱えています。一方でアメリカは順調に人口を微増させており、そのあたりのマネージメントはうまい)
日本に現在約6500万人いる労働人口は2030年には5000万人に減ると言われています。
これは、労働力が単純に15%程度減るということを意味しています。
労働力が15%減ると何が起こるか?
簡単に言うと、国民が生み出すものが減る(生産力が衰える)ので、相対的に円の価値が減り、
外国からの輸入しているものが買えなくなります。
買えなくなって困る物は、海外依存度は高いが、生活にはなくてはならない、エネルギー、食料、衣類(国内の綿自給率は0%)でしょう。
解決の方向性は大きく4つあると考えています。
1.自国で生産(自給)できるようになる。エネルギーは特に代替エネルギーに置き換える。
2.海外から観光に来てもらい、日本にお金を落としてもらうことで外貨を稼ぐ
3.移民を受け入れて労働力を強化する
4.企業が海外に進出して外貨を稼いでくる
(ただし、企業論理と税法上、海外で稼いで稼いだお金は海外で回し続けた方が効率的なので、日本に戻ってくるのは一部というのと、これから出て行って意味のある海外が減ってきている(最終的にはアフリカかも知れないが、その先の発展途上国がない)ので、持続性という観点から優先順位が下がる)
特にエネルギーに絞って考えると、別の切り口としてオイルピークという話があり、今までは1のエネルギーを投入して10得られていた石油が今後は1投入しても1得られなくなると言われています。(埋蔵量はまだまだあるが、掘るためのコストが得られれる利益を上回る)
そのため世界で石油の奪い合いになります。
(アメリカがアラブ諸国に戦争を仕掛けているのもこの石油の採掘権を無理矢理取りにいくためかと。自国で石油が出るにも関わらずです。)
日本はどんなにがんばっても石油は出ないので、なんらか石油を代替するエネルギーに切り替えていく必要があることは国家戦略レベルの話として重要です。ただし、既得権益を持っている方々はなかなかそこから離れられないでいます。
あるいは、今現在の国や大企業の上層部は、自分が現役のうちにはそういう世界がやってこないと考えているのかも知れません。つまり、国や大企業に任せていても、この先の日本の未来は変えられないと思っています。
そこで、もっと市民レベルから未来を変えていくためにはどうしたら良いか?
ということでサステナジーが出したひとつの答えが太陽光のゼロ円モデルです。
太陽光発電システムをお客様の痛みなく手に入れていただくことはなかなか難しいのですが、
サステナジーでは、ファンドやグリーン電力などあらゆる技をうまく使うことでそこをなんとかクリアーしています。
そこは資本主義的お金の仕組みを最大限使って、今の社会に受け入れられやすい商品として
ご提供させていただけるよう努力しています。
またビジネスとして、Googleのアナロジーを参考にしています。
ゼロ円モデルもそうですし、小規模分散でひとつひとつは小さいけれど、ITの力でうまく集約するとビジネスになるといったようなところです。具体的にはグリーン電力の集め方などがそれにあたります。
こうやって、市民、地域から始まり、いずれ国内のエネルギーが代替・自給できることには、石油を買えくなってもそれに耐えうる社会を作るという意味と、その裏返しとして諸外国に出て行ってしまっているお金を止めるという意味があります。
自国の経済が生産労働人口とともに伸びているときには、貿易立国というのも成立するかと思いますが、日本のような人口減少社会ですと、国内で生産できる物が減っているのにそれを売って海外から必要な物を買うことが難しくなるからです。
生産力の減少を補うくらい付加価値の高い売り物が作れれば良いですが、これだけグローバルに情報が流通する時代にそれは、かなり難しいと思います。
ですので、まずは自国での生産量をどれだけ増やせるようになるかが重要です。
特にエネルギーなどは地産地消した方が効率が良いので、なるべく域内で生産すべきと考えます。
エネルギーの他にもCO2クレジットなどは、単なるCO2削減価値という概念的なものを諸外国から買っているとそれだけでみなさんの血税が海外に出て行ってしまっていることになります。
これはやはり自国で出るクレジットをしっかりカウントしていくことが必要だと思います。
グリーン電力もその一つになります。
こうやって要素をつないで一つずつモデルが完成し、その集大成として、いずれエネルギーは自然から無料でもらうものという世界が来ると、石油をはじめとする資源を奪うためにしていた戦争もなくなり、また先進国が発展途上国から搾取するために起こる貧富の差も是正されると信じています。
それこそサステナジーが目指す世界です。
さとまるも基本的な問題意識、着眼点などは同じなのですが、それをエネルギー以外の生活に必要なもの全てに広げて考えています。
かっこよく言うと持続可能な循環型社会に必要なもの全てを取り扱う、サステナジーの上位概念にあたります。
主な領域としては、衣、食、住およびその周辺です。
衣は、綿の自給率が0%ということもあって、日本の風土にあった麻の栽培の復活を考えています。
第2次世界大戦後、進駐軍によって栽培が禁止されましたが、このあたりの問題にはあまり立ち入りたくないので、単純に衣料のために麻の栽培を考えています。
また食でいうと、遊休耕作地や耕作放棄地など基本的に無料で土地が借りられる場所で農業を復活させ、そこで農家以外の今まで労働人口とみなされていなかった人たちの協力を得ながら食料を生産する方法を考えています。
既に取り組みが始まっているものについてお話すると、千葉の知的障害者施設、「光の村授産園」できのこを栽培しています。
ここはけっこう広い庭があるのですが、運動場以外に使われていなかったので、その片隅にビニールハウスを行政の補助金を使って建て、そこで「きくらげ」を栽培しています。
栽培の対象としてきくらげを選定した理由は、椎茸など他のきのこと違って、より簡単に誰でも栽培できるきのこという理由だからです。
栽培後の流通に関しても、国内ではまだまだ需要を満たせていないところもあり、これからも栽培できる場所を拡大していこうと考えています。
さらにこの光の村授産園と共同の取組で、障害者の子供達が種から苗を育て、その苗を買い上げて、遊休農地に植えるという活動もしています。
7月には、子供達が育てた苗1100本を千葉の遊休農地に植えました。うまく育ってくれると良いのですが。
住に関してはこれからですが、100年以上建っている古民家を活用していく方法を考えていくところです。
山梨および千葉などさとまるが拠点としているところで無料で借りられる古民家を探しています。
資本主義的観点からいうと、大量に作って大量に消費している方が
経済成長していることになり人々の暮らしは豊かと定義されていますが、
行き過ぎると家のローンは35年なのに家の平均寿命は28年など逆転現象もおきてしまいます。
家はそれこそ200年住宅など長く使うことで、ゼロ円に近づけられると思っています。
そしてこういった全てのものは環境全体が良くならないと実現していかないものなので、まずはその出発点として山林の整備なども行っています。
この活動はちょっとユニークでして、ecoコンと称して、都会から男女を集めて合コンしながら山梨の森の間伐などを行っています。
これはさとまるメンバーの一人が自分の会社でやっていたイベントに地域活性化を交えてやっていこうということで、さとまるが参加したという感じです。
またここで切り出した木材の循環も考えていて、一部子供のおもちゃを作ったり、ペレット燃料にして販売します。
ペレットのところはサステナジーともつながります。
ミツバチは、この林業と農業の中間の位置づけで、山で間伐してきた木材で巣箱を作り、
そこで野生の日本ミツバチに住んでもらおうと考えています。
まだ箱を作るところまででミツバチの群は飼っていませんが、現在巣箱の置き場所をどんどん開拓しています。
これには、さとまるメンバーでかつ日本唯一のはちみつコンサルタント(自称)が推進力になっています。
ミツバチが飼えたら農家さんに無料でミツバチを提供して受粉に使っていただき、そこで取れた蜜を
分け合うようなビジネスを考えています。
無料でもらった間伐材で無料の(野生の)ミツバチに住んでもらい、それを無料で農家さんに提供し、得られたハチミツを分け合うという、ノーリスク、もしかしてリターン有り?ビジネスです。
日本ミツバチのハチミツは希少価値が高いので、市場では高額で取引されていますが、それも西洋ミツバチのハチミツと同額かそれより安い金額で販売しようかとも思っています。
ミツバチを飼うことの効用は他にもあって、例えば地域の農家の人たちがミツバチに気を遣って
なるべく農薬を撒かなくなるとか、ミツバチの蜜源、花粉源確保のために草木の多様性を大事にするなどです。
山が良くなれば麓の里山も豊かになる。そしていずれ海も豊かになるので、そのうち漁業が視野に入ってくると思います。
まずは、里山本来の豊かさを取り戻し、そこで使われていなかったものや、捨てられていたもの(つまりゼロ円のもの)
を見つけ出し、付加価値を与えて使うことで、資本主義フォーマットから脱却した(お金の介在をなるべく減らした)生活をしていくことを目指しています。
さらに、せいぜいここ100年くらいの話ですが、日本という国が潜在的に持っていた資源・資産を一気に食い潰して、その上大きな借金を作ってしまいました。これをこのまま自分の子供の代やその先の子孫の代まで積み残したくない。
まして未来への借金をさらに増やしたくない、ということで我々の代で日本が本来持っていた豊かさを取り戻し、借金も解消してしまいたいと思っています。
以上。
文責:三木
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